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移住者体験談

手嶋 恒太

成果も時間も自分次第な漁師はストレスフリーな仕事です

  • 防府市
  • 手嶋 恒太
  • 漁業
手嶋 恒太

漁師になるまでのいきさつを教えてください。

学生時代に多くの先輩たちがサラリーマンや公務員になっていったのですが、たまに会って話を聞くと、みんなストレスや不満の話ばかりでした。自分はそんな中で働くのは苦手だなと感じていて、仕事をするなら自営業だなと考えていました。コンビニでアルバイト経験くらいしかなかったのですが、自然と向き合いながら一人で仕事ができる漁師に興味を持ち、思い切って飛び込んでみました。また、全国的に漁師が高齢化している話を聞いていたので、競争相手が少ない分、自分にも儲けるチャンスがあるんじゃないかと考えたところもあります。ただ実際のところは仲買人さんも高齢化で減っているので、そこは心配しています。

周囲の漁師さんはどんな方たちですか。

私が所属している組合は、一番多いのが70歳以上の世代で、最高齢は90歳代がいらっしゃいます。その下は自分たちを含めた30〜40歳代が数人といった状況です。今のベテラン世代は元々漁師の家に生まれて家業を継いでいる人が多いのですが、その下の後継世代は別の仕事をしている人が多いようです。だから50歳代前後の世代が空いていて、私たちの世代になっています。最近も脱サラをした同年代の漁師が入ってきてくれましたが、全体としては高齢化していると言っていいのではないでしょうか。そんなこともあって私は30歳代ながら組合の運営委員長をやっています。実際は周りにやれやれと言われてではありますが・・・(笑)。
私の周りは圧倒的に年上の方が多く、若手はまだまだ少ない状況なので、おばちゃんたちには可愛がってもらっています。獲れた魚を持って行ったら刺身にしてもらえたり、野菜などのお裾分けをもらえたりしています。
新たに就業する人がいるとはいえ、港では若手は貴重な存在です。

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漁師になるまではどんな準備をされましたか。

漁師の求人を見つけて、縁があってまずは山口県で短期研修を受けました。その後防府市に移住して、合わせて2年半の長期研修を受けて独立しました。準備といえば、この研修を受けたことくらいです。研修といっても、学校に通っているわけではありません。基本は親方の船に一緒に乗せてもらって、仕事をさせてもらいながら学ぶスタイルです。特に何もわからない最初の頃は、親方も大変だったと思います。段々と自分でも漁のやり方がわかってくると、うまく行った時とそうでない時のデータを記録したりしていました。自分がいざ独立した時に困らないように、研修の時から自分の漁を想定しておくことも大切です。もちろん船の上だけではなく、港に帰ってからは網の修繕方法なども教えてもらいました。親方と二人きりで長時間船の上で過ごすので、楽しいことばかりではありません。命に関わることもあるので、当然叱られることもあります。それでもこの期間に多くのことを学んで自分のものにしておかないと、独立したら全て自分の責任なので、思い返すと大切な時間でした。先日、実は私も少しだけ研修生を船に乗せたことがあるのですが、教え方は本当に難しいと感じました。
お金の面では、小型船舶の免許取得や、漁に必要な漁具や装備などは、県や市の支援制度がありました。さらに研修が終わって独立したあとの3年間は経営安定に向けた支援制度もあるので、他県と比べても手厚いのは間違いないと思います。私の場合は、研修期間中に小型船舶免許以外にも無線免許や警戒船業務の講習を受け、今の船や網などの漁具や装備を全て揃えました。独立にあたっては融資を受けたのですが、これも返済の一部免除があったりと、至れり尽くせりの制度でした。今では他県の支援も充実してきているのかもしれませんが、当時から山口県の制度はずば抜けて手厚かったことを覚えています。窓口の人に相談したり、しっかりと調べて、できるだけ活用することをおすすめします。

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ズバリ漁師の魅力ってなんでしょう?

漁師には、人それぞれの魅力があると思うのですが、最初に漁師を目指した理由の通り、自分にとっては時間を自由に使えるところです。自分がやりたいと思えば何歳になってもできますし、休みにするのもその日にどれだけ働くのかも自分次第ですからね。それと相手は自然なので、仕事で人間関係のストレスがないことも、自分にとっては魅力ですね。最近は燃料代や漁具の値段も上がっているので、水揚げが悪かった日には経費のことで頭を悩ますことはありますが、それでも相手のいる人間関係のストレスよりはずいぶんマシなのではないでしょうか。自分で責任を持って、自由な時間と人間関係のストレスのない環境を求めるなら、漁師はおすすめの仕事です。

手嶋 恒太さん

てしまこうた/防府市在住

山口県漁業協同組合吉佐支店向島支所

大学在学中に漁師という職業に興味を持ち、山口県での短期研修を体験後、両親の後押しもあって本気で着業を目指し、漁業の世界へ。兵庫県から移住。

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