住んでみぃね!ぶちええ山口|山口県YY!ターン(UJIターン)・移住支援サイト

移住者体験談

宮田隆一

就職フェアで出会った居心地のいい職場 コロナ禍の学生時代から、チームで作り上げる開発の楽しさを知るまで

  • 宇部市
  • 宮田隆一
  • 就職
インタビューの様子

宮田隆一さんは宇部市のご出身。宇部高校から筑波大学に進学し、2023年に新卒入社で山口市に事業所のある株式会社フォリウムにUターン就職されました。学生時代はちょうどコロナ禍の時期、就職活動も山あり谷あり。コロナ禍真っ只中の学生時代からUターン就職、現在のお仕事、山口での暮らしについて宮田さんに聞きました。

県外大学進学でついに憧れの一人暮らし、ところが…

高校卒業後は筑波大学に進学、Uターン就職して現在はご出身でもある山口県宇部市にお住まいということですが、ご実家にお住まいということですか?

宮田隆一さん(以下、宮田さん):はい。今は実家に住んでいます。仕事から帰ったらありがたいことにご飯がすぐ食べられるし、一人暮らしよりやはり便利だな、と思うことが多いです。とはいえ、大学進学のときは「一人暮らしをしたい」という強い憧れから県外の大学を選びました。

筑波大学に進学されて、大学では心理学を専攻されたそうですね。

宮田さん:筑波大学の人間学群心理学類で心理学を専攻しました。漠然とですが、心理学がかっこいい、というイメージがあって。カウンセラーに興味がありました。

心理学といっても、カウンセリングなどの臨床心理学、人の行動パターンを分析する社会心理学、マウスに薬剤を投与して行動変化を調べる神経心理学、人間の発達過程を研究する発達心理学などさまざまなジャンルがあって幅広いんです。

よし勉強がんばるぞと思っていたんですが、大学1年生の終わり頃、コロナ禍のためにすべてオンライン授業になってしまって。心理学を学ぶ上でも実験はとても重要な要素なのですが、普通の講義だけでなく実験の授業もオンラインなんですよ。

実験も?オンラインでできるものですか?

できたかどうかは別として、やった、ということですよね(笑)例えば脈を測って感情や運動との相関を調べるというような実験を、オンラインの画面の向こうで、各自が自分の脈を測りながら授業を受ける…。そんな感じです。もちろん、そんな環境下で授業を進めてくださった先生方には感謝しているのですが、やはりオンラインだとどうしても勉強をしている、勉強した、という手応えがなくて。ずっと自宅で授業を受けているうちに、モチベーションが保てず、心理学への興味を徐々に失ってしまいました。3年生からは少しずつ実験や対面の授業が復活してきましたが、コロナ禍がなかったら…と思うと心残りはありますね。

卒業論文はどんな内容だったのですか?

宮田さん:「自炊をする人、しない人の差異」について調査をして卒論をまとめました。性別とか家族構成よりも、差異が出たのは「暇な時間を何に充てるのか」という要素でしたね。社交的で外出が好きな人は、家事を「こなすべきタスク」として捉えている。一方自炊を含めた家事をタスクではなく「趣味」のように捉えている人がいて、そういう人たちに自炊傾向がある…そんな研究です。もともと苦手意識があった統計ですが、卒論を通してその重要性に気づきました。

その経験が、フォリウムさんの事業の1つでもある「マーケティング・リサーチ」に関心を持った背景でもあるわけですか?

宮田さん:そう思います。

サークル活動にも制限、気の滅入る日々

インタビューの様子

コロナ禍で、友だちづきあいやサークル活動はどのようなものでしたか?

宮田さん:当初は友だちと遊ぶことも控えていました。私はゲームが好きなので、もともと一人でいるのは苦ではないタイプなのですが、大学生になったのに、それらしいやりたいことが全然できなくて、さすがに気が滅入っていました。授業はオンライン、友だちにも会えない。それってわざわざ筑波まで来て一人暮らしをしている意味あるのかな、いっそ山口にいたところで同じことだったじゃないか、とも思え、落ち込みました。友だちとたまにオンライン飲み会をしたり、モンスターハンターなどゲーム上での他の人とのコミュニケーションもしたり、そういうところでなんとかかんとか気を紛らわせていましたけども。

サークルは混声合唱サークルに入り、テノールを担当しました。合唱は大きい声を出しますし、唾液が飛ぶリスクもあって、コロナ禍ではもっともやりにくい活動の一つでした。当初はもちろん活動休止。嘆願書を書いたりして練習させてもらえないかと動いているうちに、少しずつ緩和されて、顧問の先生の承認があれば練習できる許可制になったり。3年生でようやく通常の活動ができるようになりました。

私が所属していたサークルはかなり本気度の高いサークルだったんです。プロのボイストレーナーや指揮者を呼んで練習するような。私は未経験で入団したのですが、先輩や同期からのサポートもあって、とくにコロナ禍が落ち着いてきて活動再開以降は思いきり打ち込むことができました。3年生の冬に引退なので、本当にあっという間でした。サークル活動が、大学で一番打ち込めたこと、と言えます。

公務員試験挫折…からの、就職活動プロセス

インタビューの様子

大学卒業後の仕事や自分の将来については当時どのように考えていましたか?

宮田さん:当初はカウンセラーに興味があったのですが今お話したように、心理学に対する関心が薄れていってしまったので、 何をしたらいいか分からなくて就職活動も熱心には取り組みませんでした。3年生のときに、東京の大手企業の説明会にも行ったり、検討もしたのですが、それらの企業には、社員間で競争させて成果を出そうという雰囲気がありました。私はどちらかというとチームで協力して結果を残すのが好きなタイプだったので、自分の性格には合わないと感じました。どうしようかなあ、と思っていたら同じ学科の友人が公務員試験を受けるというので、それはありだな、と思って3年生の冬から公務員試験の勉強を始めました。

それで山口県の地方公務員試験を受けられたんですね。

宮田さん:はい。4年生の夏に受験したのですが、二次試験で落ちてしまいました。4年生の9月に就職が決まっていなくて、東京での就職も間に合いそうもないし、今から就職先を見つけるにはどうしたらいいんだろう、とさすがにちょっと焦りました。いろいろ調べていたら、山口県のUIJターン就職フェアが東京で開催されることをネットで知りまして。3年生の時に行った東京の企業説明会ではどこか違和感を持っていたので、山口なら、もしかしたら自分に合う就職先があるのではないか、と思い、これだ!と思って参加しました。

東京、山口以外の地域での就職は考えませんでしたか?

宮田さん:その時点では、実家もあるし、友人や知り合いもいるし、とりあえず山口県内で仕事を探してダメだったら他の地域も考えてみよう、くらいの気持ちでした。

山口県の就職フェアはどんな様子でしたか?

宮田さん:25社が参加していましたが、事前に勤務形態や給与、福利厚生制度をチェックした上で、現在の会社を含めて4、5社とお話させていただきました。たとえば製薬会社の営業職の仕事なども含まれていたのですが、当時は、人と話すのが正直苦手で、営業はやっぱり難しいか…と感じました。

現在の職場であるフォリウムは、マーケティング・リサーチの業務担当ということで募集をしていました。チームで働く社員や社内の雰囲気も良く、挑戦する姿勢を応援する前向きな社風や充実した研修制度など、個人としてのスキルアップはもちろん、チームの一員としても成長できる環境が整っていると 感じました。フェアを運営していた県の職員さんの、IT業界はこれからも伸びるし、フォリウムの話を聞いてみたらいいんじゃない?というあと押しがあったのも大きかったです。

このフェアは各社の人事担当者と1対1で会話することができたので、集団で参加するタイプの就活イベントでは決して得られない機会だったと思いますね。

予想外「出会ってしまった」開発という仕事

インタビューの様子

現在エンジニアとしてお仕事をされていますが、予定されていた職種とは違うものだったということになるんですか?

宮田さん:現在私はエンジニアとして、ローコード開発ツール・OutSystemsを用いたシステム開発、AI活用に関するR&Dなどを行っています。ローコード開発ツール、というのは近年、大きな注目を集めています。ゴリゴリにプログラムを書かなくても圧倒的なスピードと品質の安定性が特徴の開発システムです。就職フェアのときには先の通り、マーケティング・リサーチの業務担当と聞いていて、選考が進んでいました。学生時代に調査や統計をやっていたことも評価していただいて。
内定をもらった後に当時の事業部長から「応募した職種と違う部署に行かないか、ローコード開発の部署 なんだけど」という提案があって。即答で「行きます」って言っちゃいました。ちょうどChatGPTが流行りはじめていた時期でもあり、システムエンジニアという職種に興味があったんです。

今のお仕事はどうですか?

宮田さん:開発という仕事が楽しい。現在の開発部署に来てよかったです。やりがいを感じるのは、チームで協力して、一つのシステムを作っている一体感を感じられるところですね。

学生時代は人とのコミュニケーションがあまり得意な方ではありませんでした。しかし、今ではチームの一員として仕事をする中で、同僚やお客様ともきちんと話してコミュニケーションが取れたこと、その上で作ったシステムがちゃんと動いていることとか、一つ一つ経験することでだんだん慣れてきて、少しずつコミュニケーションの面でも自信もついてきたと思います。やっぱり自信を持っていないと、どうしても不安になってしまうし、話もスムーズにできなくなってしまいます。「慣れ」と「自信」は大事ですね。

同期や先輩、上司との関係はどうですか?

宮田さん:フォリウムは全社では400人ほど、山口の事業所には75~80人の従業員がいます。新卒の同期は6人です。先輩はみんな優しくて怒られたことはないです、今のところ(笑)

現在の事業部長は、顔は怖いんですけど(笑)優しい方です。人づてに「褒めてたよ」と聞いたときはすごく嬉しかったですね。事業部長は山口ではなく東京にいるんです。だからやりとりもいつもオンラインです。

それはちょうどいい距離感なのかもですね(笑)東京でエンジニアとしてのキャリアを積みたいという希望はないですか?

宮田さん:就職するときは山口で!と思っていたのですが、いざ就職して仕事をしていると、基本的にクライアントに対してはリモートで対応する業務なので、自分がどこにいるのかはあまり関係がないのかな、とも思います。ただエンジニアとして経験をたくさん積もうと思えば、実際にクライアントが多く客先に足も運びやすい東京の方が機会は多いかもしれません。キャリアを考えていく中で都会にというのはありえないことではないと思います。
でもやっぱり、華やかな都会より山口の田舎の落ち着いた暮らしのほうが、自分に合っているとは思いますね。

週末は一人でドライブ――好きなところへどこまでも

インタビューの様子

開発職だと夜遅くなったり、長時間労働のイメージもありますが、勤務スケジュールはどのような感じですか?

宮田さん:毎日9時半に出社して18時半退勤です。定時に帰る日もありますし、同僚との会話が盛り上がって、少し遅くなることはたまにあります。プロジェクトの後半から納品近くになっていくと、残業が多くなることはあります。帰宅は19~20時ぐらいですね。ご飯を食べて、『エルデンリング』などの好きなゲームをしたりします。車通勤なので、飲んで帰るということはほぼないですね。

週末はどう過ごしていますか?

宮田さん:愛車でドライブですね。目的もきっちり決めないで、寄り道しながら。誰かと一緒にいくのも楽しいんですが、一人で行くことが多いです。考え事に没頭したり。大学では徒歩と自転車で足りていて、車には乗っていなかったので、ドライブが好きになったのは山口に帰ってきてからですね。山口県は、どこまでいっても道路が綺麗で走りやすいんです。 自分の好きなところに、好きなタイミングで行けるのが楽しいです。

最後に、仕事上で目指していることはありますか?

もっとシステムの全体像を把握して仕事ができるエンジニアになりたいな、と思っています。チームで開発していても、全体と自身の担当する機能の役割を100%把握できないと「自分の実装方法は正しいのか」と途中で不安になるときがあります。でも、フォリウムの開発チームでは「チャレンジするマインドを持ち続ける」「学び続ける」というカルチャーを大切にしているので、そういった組織風土の中で、リーダーに質問したり、設計資料を読み込んだりして理解を深めていくことが日々の自身の成長につながっていると実感していますまた、それぞれの担当者のシステム全体への理解度が、開発スピード、開発の品質、チーム内のコミュニケーションの質のどれにも直結するので、そのような取り組み姿勢は、チームの成長にも活かされています。

エンジニアの仕事、この先も楽しみですね!ありがとうございました。

(聞き手)
もともと人付き合いが得意な方ではない、と話していた宮田さんですが、コロナ禍で気が沈みがちなときでも、オンライン飲み会を友人と開いたり、合唱サークルの練習再開に向けて動いたり、人との関わりをもつ努力を常にされていました。インタビュー中も、聞き手の私にしっかり考えて言葉を伝えようとしてくれる様子は誠実で、むしろコミュニケーション能力の高い方だと感じました。
就職活動中に東京の大手企業で抱いた違和感、公務員試験の不採用など、決してスムーズな道ではありませんでしたが、自分の感性に合う職場を見つけ、チームで仕事をする中、自信もついて、開発の仕事をずっと続けていきたいと思うまでになりました。宮田さんのお話が、就活中の学生の皆さんの参考になれば幸いです。

宮田隆一さん

みやたりゅういち/宇部市在住

宇部市出身。宇部高校から筑波大学に進学するも、学生時代はちょうどコロナ禍の時期、就職活動も山あり谷あり。2023年に新卒入社で山口市に事業所のある株式会社フォリウムにUターン就職。

一覧に戻る