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移住者体験談

安部恭子

地方には新しいものを作って発信出来る チャンスがたくさんあると思います。

  • 光市
  • 安部恭子
  • 起業・創業
安部恭子

Uターンされる前は、どちらにいらしたんですか?

大阪でパティスリーの仕事をしていました。高校を卒業後、短大に進学するために京都にいきました。本当は、進学せずに、すぐにお菓子の勉強をしたかったんですが、両親の強い反対がありまして…。
それで、パティシエの道を一旦あきらめて、もうひとつの夢だった日本語教師になるために、日本語日本文学科に進学しました。就職活動にもチャレンジはしてみたんですが、パティシエ以外に特別やりたいことが見つからなくて、全く気持ちが入りませんでした…。やっぱり、パティシエになるという夢を諦めることができず、反対をする両親なんとか説得して、お菓子の専門学校に通うことを許してもらいました。

今でこそ、女性パティシエは珍しくないですが、当時は、女性の採用がほとんどないという感じでしたね。私が就職したお店は、オーナーもスタッフも全員女性だったので、自分が将来お店を開いたときの参考になるだろうと思って決めました。そのお店で3年間、さらに大阪のお店で3年間勉強を重ね、28歳のときに、小学生の頃からの憧れだったフランスに行って本場のお菓子づくりを勉強しに行きました。その当時、日本人が住み込みで働けるお店を仲介してくれるサービスをしている会社があって、その会社が紹介してくれたお店で、観光ビザを使って3ヶ月ほど働かせてもらいました。ちょうどバカンスのシーズンで、1ヶ月間お店はお休みでした(笑)。一旦帰国して、今度は研修ビザを取得してフランスに再度渡り、2店舗で合計10ヶ月ほど勉強をしました。帰国してからは、知り合いの喫茶店で働いたり、またフランスの知り合いのお店で勉強しにいったりを繰り返していましたね。

画像:山口県へのUターンで企業に就職した先輩 仕事風景 その2

Uターンをしようと考えた、きっかけについて教えていただけますか?

子育てが一番の理由です。高校生の時は、県内に行きたい大学もなかったので、山口県から出て行きたいと強く思っていました。都会はモノや情報がたくさん溢れていて、とても刺激的で便利なところなんですが、子育てをするんだったら、やっぱり自然豊かな地元でというのがありましたね。水・木・花・砂・泥などに触れることで、五感を育ててもらいたいなと。それで、2006年にUターンをすることを決めました。

戻られてすぐに、お店をオープンされたんですか?

結婚・出産でブランクもありましたし、子どももまだ小さかったので、お菓子とは全く関係のない会社で、事務員として働いていました。子どもが年長になったときに、これ以上現場から離れると、パティシエの仕事を忘れてしまうなという危機感をいだきました。就職することも考えたんですが、子どものことを最優先に考えた結果、自分のお店をオープンするという結論に至りました。学生時代は、全然友達付き合いもマメではなかったんですが、お店を始めると、噂を聞いて同級生や先輩・後輩がたくさん来てくれました。これが、地元で起業するお大きなメリットですね。時間はかかりますが、一人一人のお客様としっかりと向き合って、顔の見える関係性を築いていけたらいいなと思いますね。

画像:山口県へのUターンで企業に就職した先輩 仕事風景 その3

Uターンされる時、不安に思われたことはありますか?

「いつか絶対に自分のお店を開くんだ!」という大きな目標を持っていたので、全く不安はありませんでしたね。事務員というお菓子づくりとは全く関係のない仕事を経験したことで、改めて、自分にとってお菓子づくりがどれだけ大事で、どれだけ好きなのかということを再認識することができたのも良かったと思います。また、大学に行ったおかげで、いい友達にも巡り会うことができました。次々とスタッフが辞めていくような職場環境で踏みとどまっていられたのは、友達が私のことを支えてくれたおかげだなと感謝しています。一見無駄に思えるようなことでも、ちゃんと意味があるんだなと思いますね。

画像:山口県へのUターンで企業に就職した先輩 仕事風景 その4

光市での生活はどうですか?

温暖な気候でとても暮らしやすいなと思います。のんびりとした空気も流れていてとても落ち着きますね。大学生のときは、それがイヤだったんですけどね(笑)。当時は当たり前だと思っていた電車からの景色も、今、改めて見てみると本当にキレイだなと思います。県外に一度出たからこそ、山口の素晴らしさに気づくことができましたね。帰って来れるふるさとがあるって、本当に幸せなことだと思いますね。

Uターンして起業をしたいと考えている方に、何かアドバイスはありませんか?

都会に比べると、お店の数も情報も少ないので、何か新しいことを始めてみようという人には、色々な人が手を貸してくれたり、目をかけてくれたりしてくれると思います。何もないからこそ、自分たちで新しいことを作って発信できるチャンスが、田舎にはたくさんあると思います。今は、インターネットを使って簡単に、全国に向けて情報発信もできますしね。

画像:山口県へのUターンで企業に就職した先輩 仕事風景 その4

最後に、将来の夢を教えていただけますか?

地域の様々な業種の人達と一緒に何かをすることで、新しいモノを生み出していければいいなと思います。私の場合は、お菓子づくりを通して、食べることの大切さだったり、モノづくりの楽しさだったりを子どもたちに伝えていきたいですね。そして、その活動を通じて、地域活性化のお手伝いができるといいなと思います。あと将来的には、結婚や出産などでパティシエの仕事を諦めてしまった人たちが、もう一度、働ける場所を提供できるようにしたいですね!

安部恭子さん

あべ・きょうこ/光市在住

短大卒業後に関西の洋菓子店に勤務、その後渡仏。
一度お菓子の世界を離れたのち、2011年に故郷の光市に洋菓子店ミルデリスをオープン。将来の夢は、お菓子づくりを通して、食べることの大切さ、モノづくりの楽しさを子どもたちに伝えたい。

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