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移住者体験談

松本祥太さん・宮味

暮らしやすさは、全国の中でもかなり上位に来ると思います。

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松本祥太さん・宮味

向津具に来られる前はどちらにいらしたんですか?

東京にある自然食レストランで妻と一緒に働いていました。以前から、自然食や持続可能な暮らしに興味があったので、将来的には田舎で自給自足生活をしたいなと考えていました。

移住しようと決意した一番の理由は何ですか?

東日本大震災を経験して、東京で暮らすことの危うさを痛感したことが一番の理由です。それで会社を退職しまして、自給自足をするための移住地を探す旅に出ることにしました。

画像:山口県へのIターンで開業・創業した先輩 仕事風景 その2

向津具に移住をしようと思った理由を教えていただけますか?

岡山・広島・九州地方を約6ヶ月間かけて旅行をしながら、移住先を探しました。山口県の石州瓦が並ぶ家並みを見た時に、どこか懐かしさを感じて、数日間滞在してみることにしました。インターネットで、向津具で塩作りをされている「百姓庵さん」のことを知って、お話を聞きに行ったのが大きなキッカケになりました。それで、2012年の1月に移住することを決めました。

移住にあたっては、インターネットで様々な統計を調べました。山口県の向津具周辺で地震が少ないというのもココに決めた大きな理由のひとつですね。また、雪も少なくて暮らしやすそうだなと感じました。実際は、海沿いなので風が強くとても寒かったんですが(笑)。沖縄などの人気の移住地は、空き家待ちをしている人がたくさんいるというような状況です。全国的には有名ではないですが、向津具エリアは穴場だなと思いましたね。

画像:山口県へのIターンで開業・創業した先輩 仕事風景 その3

移住する際の不安はありませんでしたか?

近くに、「百姓庵さん」という移住を経験された先輩がいらっしゃって、事前に色々なお話を聞くことができたので特に心配はありませんでした。また、小さいですけど、移住者同士のネットワークがあったこともとても心強かったですね。

住む家はすぐにみつかりましたか?

いいえ。3ヶ月ぐらいは見つかりませんでしたね。当時は、空き家バンクも十分に整備されていませんでしたね。やっと見つかった家は、10年間誰も住んでいなかった物件で、草がうっそうと生い茂っていました(笑)。ほぼ物置き状態だったので、荷物だけでも10トントラック2台分はあったと思います。2人だけで改装をしたので本当に大変で、途中で何度も心が折れました(笑)。約2年間の工事を経て、2015年の5月に農家民宿「くら里木(りこ)」をオープンしました。「くら里木(りこ)」は、暮らし+イタリア語の豊・おいしいという意味を込めて名付けました。

画像:山口県へのIターンで開業・創業した先輩 仕事風景 その4

田舎暮らしはどうですか?

季節と天気に合わせて動くようになりました。自分たちで使うものは、なるべく自分たちで作る暮らしをしようと、日々試行錯誤しています。今は野菜と椎茸の栽培と、味噌・醤油を作っています。大変なことも多いですが、それ以上にやりがいを感じています。
田舎暮らしは、想像していたよりもやることがいっぱいです(笑)。移住する前は、手仕事をしたり保存食を作ったりと、雑誌でよく見るようなスローライフ的な生活をイメージしていたんですが、それどころじゃないですね(笑)。オープンから半年が過ぎて、少しずつ田舎暮らしが楽しめるようになってきましたね。

何かとまどったことはありましたか?

まずは方言ですね。ご年配の方の会話は、半分以上は聞き取れませんでしたね(笑)。地域に溶け込むまでには少し時間がかかりましたね。仕事も決まっていない状態で移住したので、地元の方達も何者なんだろう?と不安に思われたのかも。地元の方にも分かりやすい職業だと少し違ったのかもしれません。でも、自治会の会合に出席させてもらって、一緒にお酒を飲んだことで状況は一変しました。一度打ち解けてしまうと、本当にみなさん親切にしてくださいます。これから移住者を受け入れていくには、そういった出会いの場作りがとても大切だと思いますね。住んでみて分かったことの方が、はるかに多かったので、お試し暮らしができる施設があったらといいなと思います。

向津具のいいところは、どんなところですか?

地味で素朴ではあるんですが、暮らしやすいという点においては、全国の中でもかなり上位に来るんじゃないでしょうか。千葉県の館山で育ったので、魚が美味しいというところもポイントが高かったですね。向津具エリアは、色々な意味で手付かずな部分が多いので、新しいことにチャレンジできるという楽しみは多いと思います。

画像:山口県へのIターンで開業・創業した先輩 仕事風景 その5

移住を考えている人に何かアドバイスはありませんか?

田舎ぐらしに期待しすぎないで、自分なりの楽しみ方を見つけるぐらいの心構えがちょうどいいと思います。自分の信念を持つことも大事ですが、その土地に合わせて自分の考え方を変える、順応性も大切かもしれません。

最後に、将来の夢を教えていただけますか?

今年の目標は、お米作りをするのと、間伐材を使ってコーヒー・麦茶・ゴマなどを焙煎して販売したいなと考えています。将来的な夢は、向津具半島で半時給的な暮らしをしている人たちと連携して、エコツーリズムに取り組んでいけたらなと思っています。ワークショップを開いたり、レストランで料理を食べたり、カフェでお茶したり、宿に泊まったり…。自然と上手く共生した形でのビジネスを展開していけるといいですね。萩市は世界遺産認定で盛り上がっていますが、長門市はエコツーリズムのメッカと言われるようになるといいなと思います

画像:山口県へのIターンで開業・創業した先輩 仕事風景 その6
松本祥太さん・宮味さん

まつもと・しょうた、くみ/長門市在住

東京の自然食レストランに勤務していた頃、東日本大震災を経験。東京で暮らすことの危うさを痛感したことに加え、以前から興味があった自給自足のできる移住地を探す旅をスタート。中国・九州地方を約6ヶ月間かけて移住先を探し、2012年に長門市向津具に移住。将来的な夢は、向津具半島で半時給的な暮らしをしている人たちと連携して、エコツーリズムに取り組むこと。

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