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移住者体験談

中村 陽介

田舎暮らしの秘訣は“助け合いの精神” 頼まれ事はできる限り引き受けます!

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  • 中村 陽介
  • 漁業
中村 陽介

どうして移住しようと思われたのですか?

一番は子育てのためですね。移住前は、愛知県でうどん店を経営していたのですが、当時住んでいたエリアの治安や環境が気がかりで…。このまま都会で暮らすよりも、田舎で安心して子育てをしたいと思うようになりました。

移住先はどのようにして探されたのですか?

インターネットで探しました。移住先の条件は、まだ行ったことのない愛知県よりも西側のエリアで、きれいな海がある所。海沿いを中心に探したところ、たまたまヒットしたのが萩市の空き家バンクでした。いくつかの物件が候補に上がったのですが、決め手となったのは、海が近いことと物件の安さでした。築100年の古民家ですが、山も畑もついて50万円と破格の値段。さらに、市から家の改修に補助金も支給されると聞き、お金に関する心配が減りました。何より心強かったのは自治体の支援制度です。萩市が設置する萩暮らし応援センターの方が現地立ち会いから売買契約に至るまでサポートしてくださったので、とてもありがたかったですね。また、固定資産税もかなり安かったので、どんな仕事に就いてもなんとか食べていけるだろうと。移住に際して不安を感じることはほとんどありませんでしたね。

画像:山口県へのIターンで漁業に従事する先輩 仕事風景 その1

家の改修はどのように行われたのですか?

家の基礎や水廻りは大工さんにお願いしましたが、それ以外の解体や内装などは自分たちで行いました。土壁を崩し、吹き抜けにして、床を剝ぎ、各部屋にあった囲炉裏を外して、広い一続きの空間にしました。思った以上に大変だったのは、家の前が細い路地だったため車が入れず、砂利や土を一輪車で運ばなければいけなかったことです。改修をしていた約4カ月間は、萩市の紹介でUJIターン促進住宅を借りました。

どうして漁師になったのですか?

散歩中の妻が、近所の漁師さんに「海女士にならんかね?」と声をかけられたことがきっかけです。そこで、大井浦は、ウニ漁をされている漁師さんが多い地域だということを知りました。私自身、海に潜るのが好きで、趣味で魚突きもしていたこともあって、すぐに漁協の支店長さんに話を聞きに行きました。船は、漁師を引退される方から、安く購入することができました。また、その方とほぼ体型が同じで、ウエットスーツなどの道具も譲り受けることができたのがラッキーでしたね。愛知県に住んでいるときに、いずれは自分の船を持ちたいと思って、船舶の免許を取得していたこともあり、初期費用は10万円ちょっとに抑えることができました。

画像:山口県へのIターンで漁業に従事する先輩 仕事風景 その2

漁師のお仕事はいかがですか?

いざ漁師になるぞ、といってもウニ漁の知識も技術もありません。そこで、先輩の漁師さんについて行き、見よう見まねで習得しました。海に潜ってウニを探し、海面に浮上して息を吸ってまた潜る。これをひたすら繰り返すんです。天候の影響を受けやすいウニ漁は体力が勝負。初めてデビューした日は、波に酔って思うように動けなくて…やっとの思いで捕ったのはたったの5個。わずか1時間で音を上げてしまいました。ウニは、殻を割ってみるまで、身の入り具合や色はわからないので、毎回、宝箱を開けるような感じでワクワクします。色のきれいな身がたくさん入っていたらものすごく嬉しいですね。それから、一緒になって支えてくれる妻の存在も大きいです。二人で「伸びしろしかないね!」と励まし合いながら頑張っています(笑)。頑張れば頑張るほど結果がついてくるので、今まで経験したどの仕事よりも、自分の手で稼いでいる実感が大きいですね。

画像:山口県へのIターンで漁業に従事する先輩 仕事風景 その3

移住先での暮らしはいかがですか?

子育てをするには最適な環境だと思います。地域の子どもたちもとても純朴で、こんな風に育ってほしいなという良いお手本がたくさんありますね。また、都会に比べて子どもの数が少ないので、小学校の先生も一人ひとりをしっかりと見てくださるように感じます。
なんでもっと早く移住しなかったんだろうと妻とよく話しています。また、萩市が主催した移住者交流会で知り合ったむつみ地域の先輩移住者から、さまざまな体験談やアドバイスを聞けたことは、とても心強かったですね。その方とは今でも、ウニと野菜を交換したり、食事をしたりと交流が続いています。

山口県の魅力はどんなところだと思われますか?

海もあれば山もある、豊かな自然が魅力です!春や秋は観光名所を巡ったり、夏は海水浴を満喫したりと、家族で出かけられるスポットが多いので楽しみが尽きません。近くに温泉もたくさんあります。つい最近も、長門市の湯免温泉に家族で行ってきました。お祭りやイベントも多く、毎週のように行われます。そして、必ずといっていいほど餅まきが行われますよね。愛知県にはない風習なので驚きました。

画像:山口県へのIターンで漁業に従事する先輩 仕事風景 その4

移住を考えている方へ、アドバイスをお願いします。

とにかく地域に馴染むのが一番!地域のしきたりや付き合いに戸惑うこともあるかもしれませんが、自分から輪の中に入っていくことをおすすめします。思い切って懐に入ってしまえば、周りの方はとてもよくしてくださいます。仲良くなる秘訣は、何か頼み事をされたときにNOと言わないこと。例えば、私の場合だと、一人で漁に出て沖で船が故障したら、誰かに船を引っ張ってもらわなければいけません。何かあったときに周りに助けてもらうことが多いので、田舎では助け合いの精神が大事だと思います。

最後に、これからの目標をお聞かせください。

萩市大井浦地区に移住を希望される方のサポートができればと思っています。私たちが住むこの地域も、全国各地と同様、高齢化により漁業が衰退してきています。今後は若手のウニ漁師を増やして、地域をもっと盛り上げていきたいですね。そのためにも、ぜひ多くの方にこの地域の良さを知ってもらいたいです!

中村 陽介さん

なかむら・ようすけ/萩市在住

埼玉県出身。18歳まで埼玉で過ごし、名古屋市にある引っ越し業者に就職。35歳で退職。福岡で2年間修行した後、愛知県武豊町にうどん店をオープン。2018年に萩市に移住。ウニ漁師に転身。山口県漁業協同組合大井浦支店組合員

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